将来の夢という麻薬

さとり、非二元では、今がすべてだという。今しかないので、今を意識する必要すらないという。
実際、人はスポーツやゲームに無我夢中で時間を忘れているときや、大笑いしているとき、号泣しているときは、今しかない状態になり、自分自身すら認識から消えている。その今しかない状態、自分自身を認識しない状態を、わざわざ「今しかない」「自分自身は存在しない」と意識しなくとも、今しかない状態、自分自身を認識しない状態になっている。

これは将来の夢についてもいえる。
一般的に将来の夢をもつことはよいことだとされている。
しかし、心理学的にみれば、その夢がかなわないなら、精神的ストレスとなり、自己卑下につながったり、人間関係に支障をきたしたりと、マイナス面が強まってしまう。

さとり、非二元では、今がすべてだとするため、過去や未来は脳内で作られた妄想であり、今に集中して成し遂げることの邪魔になると考える。
これは山登りによくたとえられる。ゴールとしての山頂だけを見つめて登山をすれば滑落の危険性が高まる。今、自分が歩いている足元をしっかり見て、ルートを確認しながら登れば、いずれ山頂にたどり着ける。

いわば、将来の夢とは、登山のたとえの山頂に相当する。

山頂のことばかりを考えて登山をしても危険である。体力を消耗しないようにペースを考えたり、滑落しそうな難所は集中して登らなければならない。
将来の夢も、将来の夢ばかりを考えて現実逃避をしてしまっては、将来の夢にたどり着くルートが誤った方向に進んでしまったり、将来の夢を台無しにしてしまう原因になったりする。

そして、さとり、非二元では、思考と感情も自我と考えるため、それを「本当の自分ではない」とし、本当の自分は別に存在すると考える。
本当の自分は「プレゼンス」「純粋意識」「全体」「宇宙意識」などと表現する。
現実世界は、プレゼンスから現れている一瞬でしかない。

あなたが自我にとらわれず、本当の自分の側で現実世界を見て、現実世界を自分が生み出す一瞬であると受け入れるとき、現実世界はあなたを不安にするものではなく、あなたの本当の自分によって作り出されているあなたの現実であると知ることになる。

実際、すべての人間は、本人が納得していること、当然と思っていることで人生が作られている。あなたが運命だと思っていることはすべて、あなたが納得していること、当然だと思っていることである。

自分がこの現実世界を、人生を、運命を作り出していると受け入れるとき、将来の夢を見ることに何か意味があるだろうか。
すべて、あなたが作り出した現実世界、人生、運命である。全部、自分で作っているのなら、定まっている運命というのは存在しない。

将来の夢を将来の夢だと納得している限り、当然と思っている限り、その将来の夢は永遠に将来の夢である。
将来の夢を将来の夢ではなく、今、実現する夢だと納得しているとき、当然と思っているとき、その実現する夢は今、実現する運びになっている。

将来の夢は意味がないとハッキリ言うと、「つまらない」「寂しい」という人がいる。
将来の夢にときめいたり、ワクワクしたりすると、夢は絶対にかなわない。
実際にかなっている人間はひとりもいない。
かなえる人間はときめいたり、ワクワクしたりしていない。
ときめきたい、ワクワクしたいと思っている限り、その夢は絶対にかなわない。
すると、「かなわなくてもいい。ときめきたい。ワクワクしたい」とまでいい出す人さえいる。

かなわなくてもいいなら、それでもかまわない。
役に立たない喜びは、嗜好品または麻薬と同じ効果があり、依存性がある。
依存性ほど、人生を破綻させるものはない。

あなたは自我からの甘い言葉や依存性から離れて初めて、本当の愛を体感し、愛そのものになる。

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